今回紹介する本は【サッカー止める蹴る解剖図鑑】です。
選手としても監督としても活躍した「風間八宏」さんが、「本物のサッカー技術が身につく究極の理論」を4つのポイントを軸にわかりやすく解説した本です。
初心者から上級者まですべての人達にこの本を読んでほしいです。
【この記事は以下のような人にオススメ!】
- これからサッカーをプレーしたい人たち
- 本気でプロを目指す子どもたち
- 草サッカーやフットサルを楽しむ大人たち
- 現役のプロ選手たち
この本を読み終えると「足の感覚を見えるようにしていかなる状況にも左右されない技術を習得」できます。
言い換えると、「ボールを正しく止めて、正しく運んで、正しく蹴る」ことができます。
サッカーをする人たちにとっての「シンプルかつ最強のスキル」です。
では、これから【サッカー止める蹴る解剖図鑑】を紹介させていただきます。
作者の紹介
Embed from Getty Images本の紹介の前に作者の紹介をさせてください。
少し長くなるので、本の紹介を最初に見たい皆様はこちらからどうぞ。
「風間八宏」さんは元サッカー選手であり元サッカー監督です。
日本サッカーリーグを経由せず海外に挑戦した異質の存在です。
1984年当時、キャプテン翼のモデルと言われる「水島武蔵」さんがブラジルに挑戦し、「風間八宏」さんがドイツに挑戦しました。
僕が知っているのは「サンフレッチェ広島」に所属した1992年から1995年です。
1994年のファーストステージで優勝するのですが、その時のダブルボランチは「風間八宏」さんと「森保一」さんです。
必然か偶然か、後の名監督がコンビを組んでいました。
年 | クラブ | 出場 | (得点) |
1984 | ジョイフル本田 | ||
1984-1985 | バイエル・レバークーゼンII | ||
1985-1988 | レムシャイト | ||
1988-1989 | ブラウンシュヴァイク | 15 | (0) |
1989-1992 | マツダSC | 63 | (7) |
1992-1995 | サンフレッチェ広島 | 103 | (6) |
1996-1997 | レムシャイト |
監督としては、「桐蔭横浜大学」「筑波大学」と学生を指導し、満を持して「川崎フロンターレ」の監督となります。
ちなみに「森保一」さんは「風間八宏」さんがJリーグの監督となった2012年に二人の古巣である「サンフレッチェ広島」の監督に就任しています。
「風間八宏」さんが川崎フロンターレで構築したパスを中心とした攻撃は日本サッカーでは革命的でした。
サッカーはボールを取られなければ相手に攻められないため、ボールをキープするパスサッカーは理想です。
中堅チームの「川崎フロンターレ」が「風間八宏」さんの指導で強豪にのし上がっていくのですが、なぜ変わったのかが「サッカー止める蹴る解剖図鑑」に隠されています。
ちなみに「風間八宏」さんは名前の八から背番号8を高校時代から背負っていました。
清水商業の後輩である【小野伸二】が高校時代10番でなく8番を背負っていたのは「風間八宏」さんの影響です。
Embed from Getty Images4つの技術+アルファ
ボールを止めるための技術
Embed from Getty Images最も重要な技術です。
サッカー用語で「トラップ」です。
ボールを正しい位置に止めることで、自由な瞬間の「いま」が生まれます。
内容を理解する前に、ここで一つ試してほしいことがあります。
近くにコップやペットボトルがあれば手で持ってください。
スマホでも良いです。
コップでもペットボトルでもスマホでも持っている物は「落下させないようにつかんでいる」と思います。
実は簡単なようで簡単ではありません。
親指をどこにそえるのか、人差し指をどこにそえるのか、その他の指はどこにそえるのか。
第1関節はどこまで曲げるのか、第2関節はどこまで曲げるのか、第3関節はどこまで曲げるのか。
つかむ力はどのくらいなのか、やさしくつかむのか、力強くつかむのか。
「物の重さ」や「形」により重心は様々ですが、人間の脳は瞬時に判断して「落下しないように物を持つこと」が出来ます。
何を瞬時に判断しているのか?
それは「重心」です。
ここで本題に戻ります。
サッカーボールの「重心」を理解し、「足のどこで触るか」を忠実に再現できればボールは止まります。
ペットボトルの例えで言うと落下しません。
4つのポイントがあるので一つづつ見ていきましょう。
ボールの中心から上を触る
「ボールの下を触る」と上に力が働き、「ボールの中心を触る」と来た方向に力が働きます。
一方「ボールの上を触る」と下に力が働き、下は地面のため力が吸収され「ボールは止まります」。
力の向きが分かれば、止め方も分かるし逆に浮かせ方も分かります。
インサイドは親指の付け根で触る
インサイドで止めやすく再現しやすいのが「親指の付け根」です。
「つま先やかかと」付近でも止めることが可能ですが再現性が低くオススメできません。
アウトサイドは小指の付け根で触る
アウトサイドで止めやすく再現しやすいのが「小指の付け根」です。
触る点がズレないようにヒザと股関節で調整する
前なのか横なのか、止めたい場所によってヒザを曲げたり、股関節を開いたり閉じたりしながら体の位置を調整します。
頭で理論を覚えても、体に染み込ませないと意味がありません。
「ボールの上」「親指付け根」「小指付け根」「ヒザと股関節」を意識して毎回ボールを止めれば、いつのまにか意識せずともボールは思った位置に止まります。
あたかも、どんな量のペットボトルを投げて渡されても落とさないように。
トラップが上手い選手【デニス・ベルカンプ】【ロベルト・バッジョ】【ロナウジーニョ】を下記記事で紹介していますので興味のある皆さまはご覧ください。
ボールを蹴るための技術
Embed from Getty Images止める技術の次は蹴る技術です。
4つのポイントがあるので一つづつ見ていきましょう。
ボールの中心を知ることが一番大事
どんな蹴り方でも最初にすべきことは「ボールの中心」を知ることです。
ボールの中心ををとらえて蹴ればまっすぐ蹴れば、真っすぐ飛びます。
この原則はゴルフでもビリヤードでもあらゆる球技で成り立ちます。
「ボールの中心を知ってとらえる」技術が身についていれば、カーブをかけたり、バックスピンをかけたりする技術はわずかな応用で簡単に取得できます。
インサイドキックはカカトに近い部分で蹴る
カカト付近はふくらはぎとスネの真下にあるため、最も安定感があります。
蹴った後のボールとの反発力を受けても、グラつくことはありません。
中心をとらえれば変な回転がかからず、まっすぐ飛びます。
インサイドキックは小さなモーションで「速く正確なパス」を蹴ることができるため、最初に身につける技術です。
【カルロス・バルデラマ】はインサイドキックの魔術師と呼ばれていました。
【バルデラマ】に興味のある皆さまは下記記事をご覧ください。
インステップキックは人差し指の根本で蹴る
インステップキックはロングキックやシュートなど強いキックをしたい場合に使います。
中心をとらえることはインステップキックでも一緒です。
インステップキックは「足の甲で蹴る」と子供の頃教わっていましたが「風間先生」はより具体的です。
「人差し指の根本で蹴る」ことを推奨しています。
足の形で誤差はありますがまずは「人差し指の根本」で蹴ってみて、自分がしっくりくるポイントを1cmや1㎜単位で補正しましょう。
再現性があると「キックの安定性」が格段にあがりますので、蹴りまくって自分のポイントを探しましょう。
すべてのキックのフォームと立ち足の位置は同じ
「インステップキック」と「インステップキック以外」も蹴り方の基本は同じです。
フォームと立ち位置は同じにして、中心を見極めてどこをけるかです。
インフロントキックの場合、中心からやや外側を蹴ります。
アウトサイドキックの場合、中心からやや内側を蹴ります。
ロングキックの場合、中心から下側を蹴ります。
キックの使い分けで左右や遠近どこでも正確なキックができます。
インフロントキックが上手い選手【デビッド・ベッカム】を下記記事で紹介していますので、興味のある皆さまはご覧ください。
ボールを運ぶための技術
Embed from Getty Images止めて蹴る技術の次は運ぶ技術です。
ドリブルです。
4つのポイントがあるので一つづつ見ていきましょう。
前に進むときはふとももの後ろ側の筋肉を使う
ドリブルの基本は「最短距離を最速で進むこと」です。
最速で進むために足の筋肉の使い方が大事になります。
走る時に「ふとももの前側の筋肉」を使うとブレーキがかかり、「ふとももの後ろ側の筋肉」を使うとアクセルを踏むように加速します。
「ふとももの後ろ側の筋肉」の使い方をマスターするとまっすぐ走ることができ、「最短距離を最速で進むこと」ができます。
まっすぐ運ぶときは親指と人差し指の間の点でボールを触る
まっすぐ走れてもボールがあちこちに散らばったらまっすぐドリブルできません。
まずは安定する親指と人差し指の間の点でボールを触ると安定します。
【三笘薫】は小指の根元付近でさわることが多いですが、難易度が高いため最初はオススメしません。
ボールを追いかけるのではなく体にボールをついてくるようにする
ドリブルで大事なのはボールを奪われないことです。
ボールを奪われる確率を下げるには「ボールと足の距離」が離れないことです。
ボールを追っかけるようなドリブルはボールが足から離れます。
離れない場合はスピードが遅くなっており「最短距離を最速で進むこと」が出来ていないはずです。
逆に、体にボールが後からついてくるようにドリブルすれば「ボールと足の距離」は離れません。
蹴ってから走るのではなく「走りながら蹴る」のです。
ドリブルするときは相手のヒザを見て重心を読む
ドリブルする方向に相手がいる場合の注意点があります。
相手も簡単に抜かせまいと体勢を整えています。
しかし、相手のヒザを見るとどちらに動きたいか教えてくれます。
相手の「ヒザが曲がっている足の逆側を抜け出す」と、すぐに足が出ず相手を抜けます。
重心の逆を取れば良いです。
両足がそろっている場合は、どちらでも好きな方向に抜けます。
ドリブルが上手い選手【ライアン・ギグス】【ルイス・フィーゴ】を下記記事で紹介していますので、興味のある皆さまはご覧ください。
ボールをパスするための技術
Embed from Getty Imagesパスは蹴るの一つですが、技術の原理は「運ぶ」に近いです。
3つのポイントがあるので一つづつ見ていきましょう。
相手のヒザを見て重心を読みパスコースを決める
味方がフリーならそのままパスを出します。
相手にマークされている場合、相手はパスカットを狙っていますので「相手のヒザ」を見ます。
ドリブルと原理は同じで、重心と逆にパスを出せば足を出せないためパスは通ります。
相手の矢印を見て矢印をずらしたり逆を取ったりしてパスする
相手が走っていて、動きが明らかに分かる場合は進む方向を「矢印」として判断します。
スピードが乗っている場合は「太い矢印」、ちょっと動き出した場合は「小さい矢印」です。
太い矢印の場合、矢印の逆側にパスを出せば相手はすぐに反転できないため、パスが簡単に通ります。
DFは必ずボールを見るのでその瞬間に動けばフリーで受けられる
パスの受け手もパスの出し手と同じ意識を持つことが大事です。
「相手の矢印」と逆の動きを取ればフリーでボールを受けることができます。
フェイントやマークを外す動きは「相手の矢印」を操作することになります。
パスが上手い選手【シャビ・エルナンデス】【スティーブン・ジェラード】を下記記事で紹介していますので、興味のある皆さまはご覧ください。
メッシ解剖図鑑(真似はできないかも)
Embed from Getty Images「止める、蹴る、運ぶ」すべてが至高のお手本です。
すべてのボールの置き所が同じで境目がありません。
境目がないのでプレーの幅が無限大に広がります。
詳細は、本書を手にとって読んでいただければ幸いです。
まとめ
Embed from Getty Imagesいかがでしたでしょうか。
「ボールの中心のから上」を触って止める。(トラップ=Trap)
「ボールの中心を指を意識」して蹴る。(キック=Kick)
「相手のヒザ」をみて運ぶ。(ドリブル=Dribble)
「相手の矢印」を見てパスする。(パス=Pass)
4つの技術を「TKDP」と略すかどうかはおまかせします。
一家に一冊【サッカー止める蹴る解剖図鑑】が置いてある未来が来れば、「日本代表のワールドカップ優勝」も現実となるでしょう。
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本は「先人の知識の宝庫」です。次の本もお楽しみに。
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