序

鴨長明は鴨川のほとり、一丈四方(約3m四方)の小さな庵で『方丈記』を綴りました。
世の中の無常や変化を凝視し、己の心と静かに向き合ったその庵のように、僕にとっての『方丈記』は、2m四方の執筆城(作業デスク)。
衣食住や趣味、日々の体験から得た思考を立体化し、人生を面白くするための記録を残していきます。
今回は、2m四方の執筆城での思考を支える肉体作り――『プリズナートレーニング』の肉体実験レポートをお届けします。
はじまり、はじまりぃ。
思考の立体化

刃牙との出会い、2年の軌跡と「過去の完全リセット」
僕が自重トレーニングにハマる最大のきっかけとなったのは、身体の使い方のバイブルである『4スタンス理論』との出会いでした。
人間の身体は、生まれ持った重心や軸の位置によって4つのタイプ(A1・A2・B1・B2)に分類され、タイプによって身体の軸や体重のかけ方、しっくりくるフォームが全く異なるという理論です。
「人によって正しい体重のかけ方が違う」という驚きを知り、自分の身体の軸を活かして動く面白さに目覚めた僕は、自分自身の身体と静かに向き合える自重トレの世界に引き込まれていきました。
そんな中、2020年8月に書店で出会ったのが、漫画『グラップラー刃牙』を彷彿とさせる力強いイラストと「圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ」の言葉が踊る『プリズナートレーニング』でした。
分厚い本でしたが、4スタンス理論で学んだ「自分の軸で身体をコントロールする」という思想と完璧に合致し、迷わず即決で購入しました。
本を開くと、そこにはジムの重い器具に頼らず、自重のみで段階的に身体を鍛え上げる自由で奥深いキャリステニクス(自重トレーニング)の世界が広がっていました。
全6種目の基本エクササイズには、それぞれStep1からStep10までの難易度が設定されており、各Stepがさらに「初心者・中級者・上級者」の3段階に細かく分かれています。
「これは一筋縄ではいかない。だからこそ面白そうだ!」
そう確信した僕は、2020年9月7日から本格的にトレーニングを開始。約2年の歳月をかけてコツコツと鍛錬を積み重ね、2022年12月末には以下のようなレベル(Step)まで到達していました。
- ザ・プッシュアップ: Step 6(中級者レベル / 換算レベル17)
- ザ・スクワット: Step 6(上級者レベル / 換算レベル18)
- ザ・プルアップ: Step 2(初心者レベル / 換算レベル4)
- ザ・レッグレイズ: Step 7(上級者レベル / 換算レベル21)
- 【4種目合計】: レベル60到達
しかし、順風満帆に見えた肉体実験も、体調不良(感染症)によってトレーニングの習慣が一気に途絶えてしまいました。
その後、思い出したように再開してみるものの、かつてクリアできたはずのStepすらこなせなくなっており、「前は出来ていたのに…」という焦りとモチベーションの低下に苦しむことになります。
そして2026年9月、ブログサイトのリニューアルと同時に「思考を支える体調管理こそがすべての土台だ」と一念発起。
過去の実績やプライドを一度完全にリセットし、再びStep1の基礎中の基礎から、フォームをミリ単位で見直してやり直す決意を固めました。
RPG風「1種目Lv30(Max120)」と「Step6(Lv18)」の目標設定
やり直すにあたって僕が導入したのが、モチベーションを可視化してゲーム感覚で育てる「RPG風ステータス管理」です。
プリズナートレーニングは全10Stepで構成されていますが、それぞれのStepを「初心者(Lv1)」「中級者(Lv2)」「上級者(Lv3)」の3段階に細分化します。
こうすることで、1種目につき最大レベル30(10Step × 3段階)、メイン4種目(プッシュアップ・スクワット・プルアップ・レッグレイズ)を合計すると「最大レベル120」という分かりやすい育成パラメーターが完成します。
| 種目名 | 1Stepあたりの段階 | 最大レベル(Max) |
|---|---|---|
| ザ・プッシュアップ | 初心者 / 中級者 / 上級者(3段階) | レベル 30 |
| ザ・スクワット | 初心者 / 中級者 / 上級者(3段階) | レベル 30 |
| ザ・プルアップ | 初心者 / 中級者 / 上級者(3段階) | レベル 30 |
| ザ・レッグレイズ | 初心者 / 中級者 / 上級者(3段階) | レベル 30 |
| 【4種目合計ステータス】 | 全40ステップ × 3段階 | 最大レベル 120 |
この120レベルのシステムにおいて、僕が設定した初期目標は「全4種目でStep6をクリアすること」。
レベルで言うと、1種目あたりレベル18(合計レベル72以上)の到達を目指します。
なぜ「Step6(Lv18)」なのか?
実はプリズナートレーニングの原作において、ここには「禁断の上位種目のアンロック条件」という極めて厳格なルールが存在するからです。
- 第5の種目「ザ・ブリッジ」
➔ スクワットとレッグレイズのStep6をクリアしないと実施してはならない(強靭な背骨と腰の土台が必要) - 第6の種目「ザ・ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て)」
➔ プッシュアップのStep6をクリアしないと実施してはならない(体重を支える肩と肘の関節が必要)
「基礎の4種目で腱と関節を十分に作り上げない限り、決して手を出してはならない」という著者の鉄の掟。
つまりStep6とは、単なる通過点ではなく、真の全6種目(ビッグ6)へ挑戦するための「入場チケット」なのです。
9月の成果報告:全4種目レベルアップ!Level 4 ➔ Level 8到達
2026年9月19日、ゼロからの再スタートを切った9月度の成果報告です!
スタート時は全4種目がStep1の「初心者レベル(各レベル1)」からの開始(合計レベル4)でしたが、フォームを丁寧に確認しながら実施した結果、9月末時点で全4種目がレベルアップを果たしました!
📊 メイン4種目の9月進捗データ
| 種目 | 目標(Step6) | 9月19日(再開時) | 9月末時点 | 成果 |
| ザ・プッシュアップ | Lv18 | Lv1(Step1 初心者) | Lv2(Step1 中級者) | +1 UP! |
| ザ・スクワット | Lv18 | Lv1(Step1 初心者) | Lv2(Step1 中級者) | +1 UP! |
| ザ・プルアップ | Lv18 | Lv1(Step1 初心者) | Lv2(Step1 中級者) | +1 UP! |
| ザ・レッグレイズ | Lv18 | Lv1(Step1 初心者) | Lv2(Step1 中級者) | +1 UP! |
| 合計レベル | Lv72 | Level 4 | Level 8 | +4 UP! |
全種目が順調に【+1 UP】し、合計レベルは8へ到達しました!
💡 自論の「確実な進級ステップアップ法」
回数やセット数を増やしていく際、どのように段階を上げるか明確でないと「今日は回数を増やすべきか、セット数を増やすべきか」と混乱してしまいます。そこで僕は、以下のような自論のステップアップ手順を徹底しています。
- 「初級規定」をクリアする
- 「中級規定の回数」をまず1セットできるようにする
- 2セットこなせる回数まで、一度回数を落とす
- フォームを崩さず徐々に回数を引き上げて「中級」をクリアする
- 3セットこなせる回数まで一度落とし、徐々に引き上げて「上級」をクリアする
無理に回数を追い求めず、一度回数を落としてから2セット・3セットと確実に刻んでいく。この安全重視のプロセスこそが、怪我を防ぎ、途切れない進級をもたらしてくれます。
1週間ルーティーン表の導入と「腹八分目のトレーニング」
トレーニングを持続させるためのもう一つの工夫が、曜日ごとに鍛える部位を固定した「1週間ルーティーン表」の導入です。
🗓️ プリズナートレーニング 1週間ルーティーン表
- 月曜日: Off(完全休日・筋肉のリカバリー)
- 火曜日: ザ・プッシュアップ
- 水曜日: ザ・スクワット
- 木曜日: ザ・プルアップ
- 金曜日: ザ・レッグレイズ
- 土曜日: ザ・プッシュアップ & ザ・スクワット
- 日曜日: ザ・プルアップ & ザ・レッグレイズ
一般的なウエイトトレーニングでは「限界の少し先(限界突破)」まで追い込むことが推奨されがちですが、プリズナートレーニングの本質は「限界の少し手前(腹八分目)」で終わることにあります。
「もう少しやりたいな」と思うところでピタッとやめる。追い込みすぎないからこそ疲労や強い筋肉痛が残らず、翌日の仕事や執筆に支障をきたしません。そして「明日もまたやりたい」という前向きな飢餓感が、毎日の習慣化を後押ししてくれるのです。
なお、補助項目として体幹や関節を保護する「ゴムチューブ」運動や心肺機能を高める「バーピージャンプ」も適度に取り入れながら、万全のコンディショニングを整えています。
プリズナートレーニングは単なる筋トレではない(腱・関節・神経・脳トレ)
僕がプリズナートレーニングに強く惹かれる最大の理由は、これが単に「見た目の筋肉を大きくするだけの筋トレ」ではないからです。
ゆっくりとしたスピードで反動を使わず、正しいフォームで自重をコントロールするキャリステニクスは、筋肉以上に「腱(けん)」や「関節」、そして筋肉へ指令を送る「神経系」を同時に鍛え上げてくれます。
ここで活きてくるのが、きっかけとなった4スタンス理論の考え方です。
つま先側に軸があるタイプ、かかと側に軸があるタイプ、内側・外側に軸があるタイプなど、人それぞれ体重のかけやすいポイントは異なります。万人に共通する唯一絶対のフォームというものは存在せず、「自分のタイプに合わせた軸で体重をかけ、自然な軌道で動かすこと」こそが、関節を痛めずに力を100%発揮する鍵となります。
僕自身(A1タイプ・前足内側軸)も、みぞおちと足の指付け根を結ぶ軸を意識し、自分に最も合った体重のかけ方を模索しながら動作を行っています。
そう考えると、プリズナートレーニングは単なる運動を超えて、「最高の脳トレ(自分との対話)」だと言えます。
重いバーベルやマシンに頼らず、自分の体重のみを使って静かに動作を行う時間は、まさにみぞおちの軸を意識し、自分の身体の微細な感覚と向き合うマインドフルネスな時間そのものです。
他人と競う必要は一切ありません。焦らず、一歩ずつ、昨日までの自分と静かに向き合う。
あなたも自分との静かな戦い――『プリズナートレーニング』を始めてみませんか?
結び

いかがでしたか。
ノンフィクションとしてもフィクションとして読んでもらっても良いです。
日常を切り抜けばそれはもう僕の方丈記なのだから。
今日誰のために生きる?
